所得収支は高水準の黒字継続をもたらす

所得収支は高水準の黒字継続をもたらす

一方、所得収支はなおかなりの黒字が継続する見通しである。

 

日本の場合、対外資産(10年末で555.4兆円)と対外負債(同3.5.3兆円)との差が極めて大きいことに加え、対外資産からのリターン(10年で2.7%)が対外負債サービスコスト(同1.2%)をかなり上回っていることが、高水準の所得収支黒字が継続する背景である。

 

今後、リーマンーショック後の欧米主要国の国債利回りの低下が徐々に日本の対外資産からのリターンの低下につながる可能性はあるが、対外債権が対外債務の2倍に達し、資産・負債のギャップが大きいため、金利差が縮小しても所得収支黒字の縮小は緩やかで、10兆円前後をキープするだろう。

 

このため仮に貿易・サービス収支がリスクケース(図3ケース2)になった場合でも、所得収支の黒字が上回り経常黒字が維持できるとみられる。日本が純債権国であることが、経常黒字の維持に大きな意味を持っている。

 

しかし、経常黒字の幅は10年の17兆円前後から10兆円あるいはそれを下回るレベルに縮小するとともに、貿易赤字を所得収支黒字が埋めるパターンになる。

 

これが一時的なものか継続的なものかについては、電子部品・自動車関連についてサプライチェーン問題が一巡したのち、どの程度輸出が回復するかという点と、原油高の持続性がカギとなるだろう。

 

電子部品や自動車の輸出がある程度回復しても、原油高が継続した場合は、貿易黒字はかなりゼロに近い状態が続き、「成熟した債権国」への移行が現実味を帯びてくる可能性があるだろう。

 

数年以内という短期で日本の経常収支が赤字に転じ、「債権取り崩し国」に移行する可能性は現段階では小さいと考えられる。

 

だが、あるとすれば原油価格が1ドル=160ごを超えて定着してしまう場合、1ドル=75円を超えるような大幅円高に今回のサプライチェーン問題が重なり、生産拠点の海外移転が加速度的に進むケースなどが考えられる。

所得収支は高水準の黒字継続をもたらす

一方、所得収支はなおかなりの黒字が継続する見通しである。

 

日本の場合、対外資産(10年末で555.4兆円)と対外負債(同3.5.3兆円)との差が極めて大きいことに加え、対外資産からのリターン(10年で2.7%)が対外負債サービスコスト(同1.2%)をかなり上回っていることが、高水準の所得収支黒字が継続する背景である。

 

今後、リーマンーショック後の欧米主要国の国債利回りの低下が徐々に日本の対外資産からのリターンの低下につながる可能性はあるが、対外債権が対外債務の2倍に達し、資産・負債のギャップが大きいため、金利差が縮小しても所得収支黒字の縮小は緩やかで、10兆円前後をキープするだろう。

 

このため仮に貿易・サービス収支がリスクケース(図3ケース2)になった場合でも、所得収支の黒字が上回り経常黒字が維持できるとみられる。日本が純債権国であることが、経常黒字の維持に大きな意味を持っている。

 

しかし、経常黒字の幅は10年の17兆円前後から10兆円あるいはそれを下回るレベルに縮小するとともに、貿易赤字を所得収支黒字が埋めるパターンになる。

 

これが一時的なものか継続的なものかについては、電子部品・自動車関連についてサプライチェーン問題が一巡したのち、どの程度輸出が回復するかという点と、原油高の持続性がカギとなるだろう。

 

電子部品や自動車の輸出がある程度回復しても、原油高が継続した場合は、貿易黒字はかなりゼロに近い状態が続き、「成熟した債権国」への移行が現実味を帯びてくる可能性があるだろう。

 

数年以内という短期で日本の経常収支が赤字に転じ、「債権取り崩し国」に移行する可能性は現段階では小さいと考えられる。

 

だが、あるとすれば原油価格が1ドル=160ごを超えて定着してしまう場合、1ドル=75円を超えるような大幅円高に今回のサプライチェーン問題が重なり、生産拠点の海外移転が加速度的に進むケースなどが考えられる。